『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』は、彼のしたたかさとある種の醜悪さがどのようにして育っていったかが綿密に描かれており、非常に見応えのある作品に仕上がっている。
弁護士ロイ・コーンはトランプのメンターとして「決して弱みをみせてはならない」「攻撃は最大の防御である」という哲学、そしてある種の強迫観念を植え付ける。
トランプはこれを極限まで増幅させ、自分以外の全てを切り捨てる生き方を進むこととなる。
ネタバレになるため詳細の記述は控えるが、クライマックスでは、ロイがトランプに与えたものが、トランプによりロイ自身に返ってくることになる。
これは「お前がこんな怪物を育てた」というメッセージか、はたまた師さえも用済みとみなし切り捨てたということか。
本作は、2024年のカンヌ国際映画祭で、8分間のスタンディングオベーションを受けている。
監督のアリ・アッバシによれば、「アメリカには何百万人ものMAGA(トランプ支持者)がおり、それが最大の市場であるNetflixによる公開は叶わなかった」とのこと。
彼はわざわざ顧客の半分を遠ざけることは愚かなことだと、Netflixの判断に理解を示しているが、それほどまでに本映画は、トランプやその支持者にとって不快なものなのだろうか。
トランプ陣営は「この映画は悪意ある誹謗中傷であり、世に出てはならない閉店寸前の特売品コーナーにすら置く価値がない」とボロクソに叩いている。
アッバシ監督は、単に事実に基づいてトランプが権力者になっていく映画を作りたかっただけであり、中傷する意図はなかったと語っている。
ドナルド・トランプと弁護士ロイ・コーンの長年の協力者であるロビスト、政治コンサルタントのロジャー・ストーンは、ジェレミー・ストロングが演じたコーンが「驚くほど正確だ」と認めている。